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なむなむブログ

京大薬学部4年生。書評、京都観光、考えたことをつらつらと。

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【書評】『エッセンシャル思考』グレッグ・マキューン

エッセンシャル思考とは

一言で言うと、「より少なく、しかしより良く」ということになります。

人はよく、人生にとって不要なことをしがちです。やりたいこと、やるべきことなどを挙げ、大量のタスクに日々追われています。

そこで考えなければならないのが、「そのタスクは自分の人生にとって重要か」「今自分は正しいことに力を注いでいるか」ということ。

毎日のタスクに追われるあまり、タスクを消化することが目的となり、そのタスクを行う意味を見失うことがあるのです。

この本ではまず、エッセンシャル思考の対極として、非エッセンシャル思考について述べています。

 


「何もかもやりたい」「どうやったら全部できるのか」
非エッセンシャル思考とは、自分にとって何が重要なのかを考えず、ただひたすら目の前のことをこなす人です。優秀な人ほど何でもできると過信し、非エッセンシャル思考に陥りやすいとのこと。

特徴的なエピソードとして、著者がある会社員と話した時の例が挙げられていました。

 

私と出会った頃には、彼の努力は少々度を越していた。あらゆることを学び、何でも自分でやろうとしていたのだ。毎日新たなことに興味を持ち、数時間後にはもう別のことを学んでいる。あまりに興味の対象が多すぎて、大事なものとそうでないものの区別がまったくつかなくなっていた。「すべてが大事」だと思い込んでいたのだ。
その結果、彼のやることはどんどん散漫になっていった。無数の方向に1ミリずつ進んでいたわけだ。ものすごく努力しているのに、どこにも成果が見えてこない。


端的に非エッセンシャル思考を表したエピソードだと思います。本来持っている時間や体力を無数の方向に少しずつ割いたために、どの方面でも成果が出ない。おそらくこの人は、どこが悪いのかもわからず、さらにやることを増やしていきそうな勢いです。


本書では、エッセンシャル思考を獲得するために

見極める → 捨てる → しくみ化する

の3ステップを提唱しています。
以下その概要をご紹介します。

 

エッセンシャル思考を獲得するために

 

見極める

本当に重要なことを見極め、これしかないと思えるものだけを選ぶことをすすめています。あることをやるかどうかの判断基準はとことん厳しくし、絶対にイエスを言えるもの以外はノーと考えます。
ただその際、孤独に考えたり本を読んだりする時間を確保し、遊び、睡眠が重要だそうです。
思考、読書の時間が重要なのは当然かもしれませんが、遊び、睡眠は意外ですね。生産性を高めるためには、どちらも削ることが望ましいと考えられがちな気もしました。でも、実際には遊びの中から着想を得ることができるし、睡眠をとることでよりクリエイティブな発想ができるようになります。子供のような心で遊び、8時間以上寝ることが良いそうなので、今後心がけていきたいですね。


捨てる

ここで本質的な最終目標を完全に明確にすることが求められます。「完全に」というのが大切です。「かなり」明確だったとしても、判断基準がブレてしまい、どうでもいいことに時間やエネルギーを割いてしまうので、何でも屋になってしまいます。

そして明確になったその目標に不要なことは、他人からプレッシャーをかけられたとしても、拒否します。目標が完全に明確になっていれば、それが必要なことなのかどうかの判断を素早く行うことができます。ここでも目標が「完全に」明確になっているメリットがあります。
また、すでにお金や時間を費やしてしまったことが目標に不要だとわかっているのに、辞められないというサンクコストバイアスについても述べています。人は持っていないものよりも、すでに手にしたものの価値を高く見積もってしまいます。価値を正しく判断するために、今それをやっていなかったら始めるか、それを辞めたらどんなデメリットがあるかを考える必要があります。もしその答えがノーなら、続ける必要はありません。


しくみ化する

ここまででエッセンシャル思考を理解したら、次は努力せずにエッセンシャル思考を実現するようにします。ある成果を出そうと考えるなら、最終目標を明確にして、それを達成するために何が妨げになるかを考え、取り除きます。もし完璧主義が妨げになっている場合、目標が「レポートを提出すること」なら、完成度よりもまず完成させることに注力することです。これによって、目標を達成するために最小限の仕事でできるようになります。そして、決めたことに対して、コツコツと前進していきます。人はよく派手な目標を立てがちなのですが、それでは進歩を感じにくく、達成しにくいです。小さな成功をコツコツと重ねることで、「前に進んでいる」と実感でき、モチベーションを維持することができます。
そして、本質的な行動を無意識化するためには、日常の習慣と一緒にすることが良いそうです。起きたらブログを書く、晩ご飯を食べる前に本を読む、などです。その際、人は一度に一つのことしか集中できないので、「今何が重要か」を考え、一点集中で仕事に取り組むことが重要です。


感想

 

 

読んでみて、僕は完全に「非エッセンシャル思考」だと感じました。やりたいことがあったら重要かどうかは全く考えず、「どうやったら全部できそうか」ばかり考えていました。時間やエネルギーは有限だし、何かをやったら何かができないというトレードオフについても、一見自明なはずなのに普段生活していると見失いがちですね。まずは最終的に自分がどうありたいかを考えるところから始めようと思います。

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